方向音痴

 

私は馬鹿みたいに方向音痴だ。

ただ、ちゃんとGoogle mapを見れば、頭を使って考えれば目的地に辿り着くことができる。

初めて行く場所には絶対に迷う自信があるため、大事な約束がある際は入念にネットで下調べをして、余裕を持って家を出る。

ネットが発達した現代だから生きていける。

社会生活を送る分には問題ない。

 

ただ、本当の私は気分の赴くがままに歩くのが好きだ。

あらゆるものに気が惹かれてしまうので、素敵な小道や道端の猫、美味しそうなカフェ、そういう偶然の出逢いが大好きだ。

一応仮の目的地があったとしても動き出すと気分というものは変わるものだ。

天気や気温、人の多さ少なさなど外的環境の影響も受ける。

母はよく道は繋がっているのよと言っていた。

なんとなくで歩いてみたら辿り着けるだろって思ってしまう節がある。

たいていは辿り着けずに迷子になるけど。

 

今日も1件予定があった。

予約はせずともふらっと寄れるが、一応予約をしていた。

朝もちゃんと起きたし準備もできた。

やる気はなかった。もっとだらけて寝てたかった。

でも天気は晴れ。

気を取り直して、Google mapで調べて行ったのに全然違う店舗に行ってしまった。

しかもけっこうわかりづらい所にあり、散々迷った挙句違う店舗ですと言われ。

スムーズに行かないってことは縁がないんだなと冷めてしまった。

別に他にもたくさんあるし、と。

この急激に冷めてしまう感情をプライベートだとどうしようもできない。

 

自分の気持ちが嫌だと言っているとテコでも動かなくなってしまう。

もしかしたら私は頑固者なのかもしれない。だから柔軟であれと思っているのかもしれない。

 

相手の気持ちを考えると、前日にも時間の確認など念押ししてくれて、今日のために準備もしてくれただろう。

向こうは仕事だから何度も案内を送ってきたり電話をくれたりした。

 

正直に、道がわかりずらくて面倒になったからキャンセルしたい旨を伝える私は社会不適合者なんだろう。

 

次に繋げることを考えるのならば体調不良など言い分もあるが、繋げる気持ちもなかったんだろう。

 

自分勝手だな。

だけど自分の人生を決めるのは自分だからな。

自分が惹かれる場所に行けばいい。

 

ふと降りてみてこの街は何か違う、というものってある。

あんまり好きじゃないなって。

その違和感はやっぱり後々引きずるから無視しちゃいけないんだと思う。

 

全てに言えることだと思う。

人にも仕事にも住まいにも物にもなんでも。

あーこれ何か違うなってものは違うんだよやっぱ。

逆に心地いいなと思うものは存分に味わって生きたい。