松明

 

私の小さくくすぶっていた、ともすれば枯れて灰になってしまうような弱々しい火に、キャンプファイヤーのような炎で熱を分けてくれた。

出会って過ごす度に、私は元気をもらっていた。

小さな炎がまた灯った。

松明みたいな人だった。

私が小さな焚火を起こしたのを見て、もう大丈夫だねって去っていったようなそんなイメージ。それくらい力をくれた。

もらった熱は今度は私が誰かに灯すんだろう。

暖めるだけでも、照らすだけでも、火を分けることも、どんな形でもできる。

そうやって優しさは循環していく。

もらった熱は失わない。

私の自信にもなってくれた。

愛情しかもらってない。爽やかな人だった。